進学、就職などで人目にふれる可能性の高い住民票の世帯主との続き柄欄についても、婚外子に対して差別のない記載を求める声があがっていたが、1994年12月、自治省はプライバシー保護の観点から、住民票の、戸籍と同様な婚外子差別表記を廃止し、世帯主との続き柄を「子」に統一することを決定した。
その後、95年3月、住民基本台帳事務処理要領が一部改正され、嫡出子についても「長男、長女」など長幼性別に関する記載は行わないことになった。
ただし、世帯主である父に認知されていない子の場合は「妻(未届)の子」と表記され、依然として父親の認知、不認知による差別が残っている。
日本では戦後一貫して婚外子の出生割合は低く、出生全体の1%前後で推移しているが、欧米諸国では婚外子の出生割合が高く、スウェーデンやデンマークでは出生全体の約半数を占めている。
国連が1989年に採択した「子どもの権利条約」では婚外子に対する差別を禁止しており、日本も94年にこの条約を批准しており、婚外子に対する差別の撤廃が求められる。
また、事実婚を含む男女の平等な婚姻保障の面からも、この問題は問い直されなければならない。
保険外交員・長谷川桜子